今月末で閉館する大阪松竹座。いま最後の歌舞伎公演が行われている。この公演に出演する上方を代表する歌舞伎俳優で人間国宝の十五代目・片岡仁左衛門さん(82)に話を聞いた。大阪松竹座の閉館が発表されたときの気持ちを聞くと「道頓堀で歌舞伎のうてる劇場がなくなるということは、本当に関西で育った私はとても寂しかった。子役の頃は中座・文楽座(後に朝日座)、千日前にありました大阪歌舞伎座で歌舞伎が盛んでしたから。初舞台も道頓堀ですし、私の多くは道頓堀で育てられたといいますか、その(松竹座が)消えてしまうというのがね、なんともさみしいというか悲しいというか複雑な心境」と語った。大阪の繁華街・道頓堀。ここは江戸時代から約400年続く芝居の地・道頓堀五座という芝居小屋が建ち並んでいた。77年前、道頓堀「中座」で初舞台を踏んだ仁左衛門さん。しかし娯楽の多様化などで関西での歌舞伎人気は低迷していった。公演が殆どできない厳しい時代に父である十三代目・片岡仁左衛門さんは、私財をなげうって「仁左衛門歌舞伎」を決行した。十五代目・片岡仁左衛門さんは「父が“仁左衛門歌舞伎”というものを旗揚げしたのも、何としてでも道頓堀で歌舞伎を守りたいという、大阪での歌舞伎というものをなくしたくないという思いです。特に私たちは歴史を大事にしている。先人たちが一生懸命守ってきたもの“大阪・道頓堀”というのは、そこに昔からの伝統を守ろうとしている劇場があると僕は有意義なことだと思う」と語る。
映画上映が中心だった大阪松竹座は、昭和~平成にかけて姿を消した「道頓堀五座」を引き継ぐように舞台専用劇場へリニューアル。毎年夏に行われる歌舞伎公演は公園前の「船乗り込み」とともにいまでは大阪の夏の風物詩となっている。仁左衛門さんはほぼ毎年欠かさず出演してきた。その松竹座での最後の公演、先月演じた「寺子屋」は、松竹座での仁左衛門襲名披露で演じた作品。そして今月は「盛綱陣屋」。大坂の陣で敵味方に分かれた真田信之・幸村兄弟がモデルの作品で、戦によって引き裂かれた家族の悲劇を描いた重厚な人間ドラマ。仁左衛門さんは共演者たちに「演じる上で大切なこと」を伝えていた。そして迎えた5月のさよなら公演初日。「盛綱陣屋」は舞台専用劇場となった松竹座のこけら落とし公演で演じた思い入れの強い作品。仁左衛門さんは千秋楽まで大役を1人で演じきるそうで「ここ最近は体力的にダブルキャストでお願いしているが、この5月に関しては松竹座に対しての私の思いといいますか、感謝といいますか、この劇場へのそういう思いを込めてなんとかひと月ベストコンディションで勤めたい。役者魂というと格好いいけど、役者っていうのはそんなもんですよ。自分の体は二の次なんです。望んでくださる方がいらっしゃる限り勤めたい。次(道頓堀に劇場が)建つまでに10年くらい、7・8年はかかるでしょう。あるいは大阪で舞台を勤めるのはこれが最後になるかも分からない。だから大阪で勤めたい」と話す。大阪松竹座のさよなら公演は今月21日まで。大坂松竹座の解体は決定したが、松竹は「新たな文化・芸能の発信拠点の実現に向けて取り組む」としている。
映画上映が中心だった大阪松竹座は、昭和~平成にかけて姿を消した「道頓堀五座」を引き継ぐように舞台専用劇場へリニューアル。毎年夏に行われる歌舞伎公演は公園前の「船乗り込み」とともにいまでは大阪の夏の風物詩となっている。仁左衛門さんはほぼ毎年欠かさず出演してきた。その松竹座での最後の公演、先月演じた「寺子屋」は、松竹座での仁左衛門襲名披露で演じた作品。そして今月は「盛綱陣屋」。大坂の陣で敵味方に分かれた真田信之・幸村兄弟がモデルの作品で、戦によって引き裂かれた家族の悲劇を描いた重厚な人間ドラマ。仁左衛門さんは共演者たちに「演じる上で大切なこと」を伝えていた。そして迎えた5月のさよなら公演初日。「盛綱陣屋」は舞台専用劇場となった松竹座のこけら落とし公演で演じた思い入れの強い作品。仁左衛門さんは千秋楽まで大役を1人で演じきるそうで「ここ最近は体力的にダブルキャストでお願いしているが、この5月に関しては松竹座に対しての私の思いといいますか、感謝といいますか、この劇場へのそういう思いを込めてなんとかひと月ベストコンディションで勤めたい。役者魂というと格好いいけど、役者っていうのはそんなもんですよ。自分の体は二の次なんです。望んでくださる方がいらっしゃる限り勤めたい。次(道頓堀に劇場が)建つまでに10年くらい、7・8年はかかるでしょう。あるいは大阪で舞台を勤めるのはこれが最後になるかも分からない。だから大阪で勤めたい」と話す。大阪松竹座のさよなら公演は今月21日まで。大坂松竹座の解体は決定したが、松竹は「新たな文化・芸能の発信拠点の実現に向けて取り組む」としている。
