政府は再生可能エネルギーの導入拡大で期待される「浮体式」と呼ばれるタイプの洋上風力発電の実用化を目指し、今年度から秋田県と愛知県の2つの海域で実証実験を行うことを決めた。海に囲まれた日本では洋上風力発電の導入拡大が期待される一方、風車の土台を海底に固定する「着床式」と呼ばれるタイプに適した遠浅の海域が少ないことから、風車を海に浮かべる「浮体式」の技術への期待が高まっている。政府が「浮体式」の実用化を目指して実証実験を行う候補地の選定や事業者の公募を行った結果、秋田県南部沖と愛知県田原市、豊橋市沖の2つの海域で今年度から実施することを決めた。事業者については秋田県南部沖では大手商社・丸紅の子会社を中心とする9社のグループが、愛知県田原市と豊橋市沖では中部電力の子会社を中心とする5社のグループが選ばれた。実証実験は2030年度まで行われる予定で、政府は実証実験を通じて大型の風車を用いた大規模な発電を低コストで行う技術を確立させ、早期の実用化につなげたいとしている。