東京・中野区のシンボルだった「中野サンプラザ」の跡地の再開発計画を巡り波紋が広がっている。建設費用が当初の計画の2倍近くになる見通し。中野サンプラザの跡地に建設が予定されているのは、複合施設「NAKANOサンプラザシティ(仮称)」。地上61階、高さ262メートルの高層ビルに商業施設や最大7000人規模の大ホール、ホテルやマンション、オフィスなどが入る複合施設で、2029年度中に完成する予定。1973年にオープンし、三角形のデザインが特徴的な中野サンプラザ。結婚式や成人式会場として利用され、コンサートホールでは数々のアーティストが公演。老朽化などによって、2023年、惜しまれつつ閉館。跡地や周辺に建設が予定されている「NAKANOサンプラザシティ」。当初の予定では今月中には着工が始まっていたはが、いまだ解体作業も始まっていない。資材確保や人件費の高騰などによる度重なる建設費用の引き上げが理由。事業計画が提案された当初は1810億円だったが見直しが繰り返されるたびに増額。先月、施工主から中野区に工事費がさらに900億円以上増えると伝達があり、当初予算の2倍近くの3539億円になる可能性が出てきた。中野区は当初、430億円の補助金を投じる予定だったが、建設費用の大幅な増額に中野区民からは様々な声が出た。中野区担当者は「今回900億円以上の建設費用が増えるとわかったことで計画内容や補助金額の見直しの検討が必要だとわかった」とコメント。今年度内の着工と2029年度中の完成の見通しが立たなくなり、再開発事業計画自体の見直しも視野に検討するという。中野区で78年営業する「健康食卓 わしや」店長のコメント「イベントとかコンサートがあると、お客さんがどかっと来てお総菜買って帰られる方が多かったので1.5倍くらい違う。ある程度、人件費の高騰とかは予測できたと思うので、それが理由でやりませんっていうのはおかしい」。