- 出演者
- 江口ともみ 阿川佐和子 ビートたけし 岩下尚史 葛生貴昭 石山アンジュ 小林弘典 結城東輝
日本は総人口の約30%が65歳以上の超高齢化社会となっている。一人暮らしの高齢者も年々増加しており、推計で2040年に1000万人突破と見込まれている。こうした中でシニア向け住宅に移住する人が増えている。中銀ライフケア千葉【白井】は55歳から入居可能で相続・売却も可能。現在は約160人が暮らしているという。2LDKの部屋で一人暮らしをする高橋さんは夫が亡くなったことを機に一軒家を売却。住人同士の交流の多さに惹かれて入居を決めたという。様々なサークル活動に加えて基本無料で利用できる共用施設、レストランでの食事提供に24時間常駐の看護師など様々なサービスが用意されている。また徒歩5分の場所に北総線の白井駅があり、コンビニや大型スーパーなども隣接している。
一方で高齢者への貸し渋り問題もある。65歳以上で部屋探しをした人の4人に1人が入居拒否を経験したという。家賃の滞納や自宅での死亡・事故といった不安を貸主に持たれるためだという。家を借りられない高齢者を支援する不動産会社「プライム」の石塚さんは「相談は減るどころか増えている。80歳以上の方はそもそも門前払い」などと話した。
オープニング映像。
石山さんは「60代以上の女性って専業主婦を時代背景的に求められた世代。そういう時代背景にあった女性が高齢者になって貸し渋りに遭ってしまうというのは非常に良くないと感じる」とコメント。賃貸借契約は貸主と借主の間で結ばれる契約で「誰と契約するか」「契約を結ぶか」などは自由。宅地建物の仲介業は年齢・性別などによる拒否はできない。結城弁護士は「貸す側の不安は支払われなくなるリスクと亡くなった後の遺品整理や手続きのリスクだと思う。実はこれは保険で解決できるんじゃないかっていうのが孤独死保険。賃貸で高齢者が入られた時に加入してくださいと。そうすると場合によっては未払時にも一定金額まで補償してくれるとか、亡くなった後に遺品整理だったりとかを保険で解決してくれる」等と話した。
8月4日、山形・酒田市にある木造2階建ての家で火災が発生。この家は約25年空き家状態だった。こうした火災のリスクもある空き家は全国で900万戸を超え、30年前に比べ約2倍に増加。2038年には5軒に1軒が空き家になるとも言われている。そこで都会のど真ん中の空き家の現状を調査。まずは東京・杉並区。閑静な住宅街に現れた草木で覆われた空き家。壁が崩壊して家の中が見え、何カ所も屋根に穴が空いている状態。近隣住民によると、20年以上前から放置されているという。さらに崩壊以外に動物による被害への心配の声が。更地にした場合の価値は約2億円。杉並区によると、この空き家は倒壊の恐れや衛生上の問題などがある特定空家に認定。ただ、所有者とも話し合いができているため、今後も法律に則り適切に対応していくという。
東京都中野区。屋根がブルーシートで覆われた取り壊せない空き家がある。木造2階建ての空き家。土壁が出ている部分もある。穴が空き、ツタが絡んでいる。数年前から人は済んでいないという。屋根の瓦を落ちないようにするために、中野区がブルーシートをかけているとのこと。しかしブルーシートが剥がれた箇所もあり、保護の意味をなしていない状態だという。屋根がたわんでいる。更地にした場合、4000万円の値がつく。なぜ解体しないのか。相続人がたくさんいるとのこと。90人もいるので手続きが進まないのだという。昭和29年に相続されて、それ以降は変わっていない。相続人が多いケースは珍しくない。日本の場合は相続制度に欠陥があるという。
東京都足立区。再建築不可、法改正で八方塞がりの空き家がある。駅から300m。路地の先にある2軒の木造家屋の空き家。ベランダの屋根は劣化している。右側は2年前にボヤがあり中が焼けてしまったとのこと。今は住めない状態だ。左側の家屋は10年前から空き家状態。建築ができない場所になっているという。再建築可能な場所は道路の幅が4m以上の道路に土地が2m以上接している必要がある。この空き家は、建築基準法で定められた道路ではないため再建築ができない。これまでリフォームは申請なしで壁や床など大規模な修繕ができたが、4月に建築基準法の改正があり、できなくなったという。自治体により申請要件が異なる場合がある。リフォームできなくなり、放置される空き家が増える可能性がある。なぜ法改正が行われたのか。
なぜ法律は改正されたのか。木造に限って、これまではほぼ新築のようなリフォームができた。建築確認がおりていない家に長く住まわせることになってしまう。再建築不可物件は多い。東京23区内では20万件ある。ほっておかれる建築が増えることになる。
空き家DIYが注目されている。空き家を有効活用している人がいる。JR田浦駅から10分。ほそい坂をのぼりきる。旧市営田浦月見台住宅。建てられたのは、1960年。住居は74戸。当時は多くの住民で賑わっていた。2020年にすべての入居者が退去した。築65年の家屋。現在、お店として活用しているところもある。コーヒーショップやセレクトショップや民泊施設など。1戸あたり30-37平方メートル。家賃はいくらなのか。
空き家が店舗兼住宅に大変身した。1戸あたりの広さは30~37平方メートルで家賃は5万6000円~。2戸分になると広さは最大73平方メートル、家賃は最大17万4000円。47戸中43戸が契約・申し込み済み。DIYできるのは魅力だという。田浦月見台住宅は細い坂道が多い高台にあり建物のの解体・再開発が困難。横須賀市は民間事業者と手を組み空き家再生を実現した。
JR熱海駅から車で約20分。去年4月に空き家を購入し1人で暮らしている69歳の男性。築51年、約10年間放置されていた。敷地面積は443平方メートル。建物面積は66平方メートルで2DKの3階建て。
空き家を1円で購入したという。購入時は劣化や不具合が至るところにあった。ソファは補修・リユースした。和室は洋室に変えた。DIYの費用は約180万円だったという。資材が約50万円、工具が約130万円。業者に依頼する費用の半分ほどに抑えられた。
- キーワード
- 熱海(静岡)
結城さんは「これから公営住宅は古くなってくるところが増える」などと話した。MAD Cityは千葉県松戸市駅前のまちづくりプロジェクトで仕事場や住居をDIYなどに活用できる。石山さんは「農地付きの空き家物件はこれから需要がくるんじゃないか」などと話した。
ビートたけしは「年取ると家から出ない、システムとして住む所は最低限にするような世の中にしないと」などと話した。