- 出演者
- 江口ともみ 阿川佐和子 ビートたけし 釈由美子 野口健 植田めぐみ 宮崎謙介
今年、大幅に規制が強化された富士山の登山ルール。通行料・入山料の徴収の他にも去年は木製だったゲートが今年は鉄製となり、午後2時には閉門。例年問題となっていた”弾丸登山”を抑止するため閉門を2時間前倒しにし、今年は午後2時から午前3時までは山小屋の宿泊予約がない登山者は5合目からの入山ができなくなったのである。さらに富士山レンジャーなど職員の権限を強化し、軽装登山を防止するため服装や持ち物の事前チェックを実施し不備がある人に対して入山拒否が可能となっている。中でも厳しくチェックしていたのは防寒具・レインウェアで不備があればレンタルや売店で購入し、準備しなければならなくなった。ドローンは許可なく飛ばすことはできず、環境省などが使用を控えるよう呼びかけている。標高2790mに経つ山小屋で今年のルール変更の効果について聞くと弾丸登山と軽装での登山者はほぼ見かけなくなったという。登山道でのキャンプや野宿は禁止されているが、静岡県側の富士宮ルート9合目の山小屋では今年のベンチや軒下での野宿をする”弾丸登山”と思われる外国人の姿が目撃されている。8合目の山小屋で目を疑うような登山者を発見し、愛犬とお散歩登山していた。山梨県はペットとの登山を禁止していないが原則遠慮してほしいとしている。そして今年のルール変更で気になるのが”ご来光渋滞”である。時間帯によっては”ご来光渋滞”で立ち往生があり夏でも雪が溶け切らない富士山では山頂と平地の気温差が20℃に及ぶことがあるため防寒着などの備えがなければ低体温症のリスクが伴う。午前3時半頃に山小屋から歩くこと約4時間、ご来光直前はまるで”テーマパーク”かのようにごった返していた。今年も登山者が殺到した富士山だったがその一方で山頂で大問題となっていた。このあと富士山頂上写真家の植田めぐみさんが実情を語っていく。
今回は登山者殺到”天空の救護所”に密着。さらに富士山麓の不法投棄問題にも。富士山の大問題SP。
野口健は「入山規制を訴えてきて色んな知事にも会ってきたが観光資源を抑えることとなり触れられないということだったが、今は山梨県知事が返り血浴びてもやるとのことだった」などと話した。そして植田めぐみさんが富士山頂中継で入山規制の強化で山頂がどう変わったかを話していった。
夏山シーズンのおよそ2か月間、静岡県側の富士宮ルートと御殿場ルートの山頂に立つ「富士山本宮浅間大社奥宮」に住み込みで働く植田さんが見た富士山頂の実情について。まずはケース1「落石の危険ご来光の裏側」から。日の出直後の4時半過ぎに目撃したのはご来光を見やすい場所を求め登山道を外れて強引に斜面をよじ登る人が続出していることであった。ケース2は「登山歴40年でもまさかの遭難事故」。右膝を痛めた50代の男性は身動きが取れなくなっていたが、標高3590m付近で”浮石”という不安定な足場でバランスを崩し岩場に右膝を強打し自ら救助要請を行ったという。5合目から救急搬送されたが右膝の炎症が引かないため、今も通院を余儀なくされている。ケース3は「山頂に集結!謎の外国人集団」。静岡県側の山頂に集結していたのはアジア系の外国人集団約80人である。彼らは日本在住のインドネシア人で午後6時に下山を開始すると到着は深夜12時頃になるというが、午後6時を過ぎて一斉に移動し始めてインドネシア国旗を持って河口付近へ向かうと集会のようなものが開かれていた。話を聞くと8月17日にインドネシアの独立記念日があるため行ったとのこと。しかし一番の問題は下山の時間であった。
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標高3100mにある富士山八合目富士吉田救護所。入山規制により”弾丸登山”は減ったが、体調不良やケガで救護所に駆け込む登山者は後を絶たない。24時間登山者の命を守る雲の上の救護所に密着となる。8合目の標高3100mになると体長の急変やけがなどのリスクが高くなり、午前8時に取材を始めた矢先1人の男性が披露と脱水によるけいれんを起こしていた。そこで漢方薬を処方され、およそ30分ほど休息を取ると上を目指し救護所を後にした。午前8時半過ぎに救護所に駆け込んできたのはひたいをケガしており、重症ではないものの縫合手術で応急処置となった。そして15分後には上へ上がっていくとのことだった。富士山八合目富士吉田救護所では開山期間中に山梨県など医療機関の医師らが24時間体制で救護にあたっているという。夜10時に救護所に来たのは小学生の男の子と父親であった。健康な人の血中酸素飽和度は96~99%といわれるが、男の子の血中酸素飽和度は70%台までに低下し意識障害なども起こりうる危険な状態になっていた。原因の1つは空気の薄さで標高3100m付近では気圧の低下によって空気が薄くなり、体内に取り込める酸素の量が大幅に減少して頭痛や吐き気など高山病の症状が現れることもあるという。すぐに酸素吸入の措置が行われ男の子は次第に回復していった。そして翌朝、男の子は無事に下山していった。しかし中には中国人の男女が深夜に訪れ男性が訴えたのはドライアイであり、男性は目薬を受け取り救護所を後にしていった。救護所で処方される薬などは無料だが登山中のケガや病気だけでなく、軽い体調不良にも対応していた。また救護所の診療費はボランティアのため無料となっていた。
薬代などは通行料や協力金等で負担され、医師らはボランティアで救護にあたっているという。そんな救護所のスタッフはやって来る人以外にも現場からの救護要請にも対応しなければならない。午前8時に救護所にかかってきたのはけがをした登山者からのSOSだった。一刻を争う事態に医師らを現場へ運ぶのはクローラーという運搬車である。このクローラーが6~8合目に3台配備されており、緊急搬送が必要な登山者などに使用されることとなる。下山道を登り急いで負傷者の元へ行くと、夫婦で富士登山ツアーに参加して8合目で一泊し頂上まで登頂したが下山中に足を負傷した女性がいた。クローラーによる緊急搬送は医療従事者が必要と判断した場合のみ使用でき、費用は1回4~5万円で登山者負担になるという。女性は自立下山できずに搬送され、病院で足の骨折が判明した。一方で深刻な問題となっているのがヘリコプターによる遭難救助である。中国人登山者は今年の閉山期間中に2度救助されるが1度目は高山病の症状を訴え防災ヘリが出動し、2度目はなんと4日後に山頂付近に携帯を忘れたと再び富士山を登ったがまた体調を崩して今度は山岳非難救助隊に救助されたという。こうした救助の際、問題となるのはヘリコプターの出動費用で防災ヘリは燃料費などを含めると1回の出動で40万円ほどかかる場合もあるとのこと。また消防組織法などに基づく救助活動と位置付けられており、登山者ではなく自治体が負担となっている。
富士山の山岳遭難についてスタジオトーク。野口健さんは山岳救助が無償であることについて「山岳関係者にも責任がある。彼らは有償化に反対しており、その理由はヘリを有料化すると救助要請を躊躇する可能性があるから。しかし、現状は無料なので安易に呼んでしまう。」などとコメント。
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世界文化遺産の富士山の麓では、ゴミの不法投棄問題が広がっている。本日のゲスト・野口健さんは2000年から富士山の清掃活動を開始。1日で135kgのゴミを回収したこともあるという。
NPO法人フジヤマフォーラムを取材したところ、家庭ゴミだけでなく産業廃棄物までもが不法投棄されているという。フジヤマフォーラムは富士山麓で年1回、100人規模で清掃活動や、河口湖IC周辺2kmのパトロールなどを行っている。パトロールに同行すると。まず向かった河口湖総合公園では、休憩中の車からポイ捨てされたとみられるゴミがたくさん落ちていた。さらにはコンクリートなどの産業廃棄物までが見つかった。富士河口湖町によると、山梨県などで構成する富士・東部地域産廃物対策連絡協議会と連携し随時撤去する計画だという。一方、林の中には古タイヤや家電など様々なゴミだけでなく、酸素ボンベなどの危険なゴミも投棄されていた。