夏山シーズンのおよそ2か月間、静岡県側の富士宮ルートと御殿場ルートの山頂に立つ「富士山本宮浅間大社奥宮」に住み込みで働く植田さんが見た富士山頂の実情について。まずはケース1「落石の危険ご来光の裏側」から。日の出直後の4時半過ぎに目撃したのはご来光を見やすい場所を求め登山道を外れて強引に斜面をよじ登る人が続出していることであった。ケース2は「登山歴40年でもまさかの遭難事故」。右膝を痛めた50代の男性は身動きが取れなくなっていたが、標高3590m付近で”浮石”という不安定な足場でバランスを崩し岩場に右膝を強打し自ら救助要請を行ったという。5合目から救急搬送されたが右膝の炎症が引かないため、今も通院を余儀なくされている。ケース3は「山頂に集結!謎の外国人集団」。静岡県側の山頂に集結していたのはアジア系の外国人集団約80人である。彼らは日本在住のインドネシア人で午後6時に下山を開始すると到着は深夜12時頃になるというが、午後6時を過ぎて一斉に移動し始めてインドネシア国旗を持って河口付近へ向かうと集会のようなものが開かれていた。話を聞くと8月17日にインドネシアの独立記念日があるため行ったとのこと。しかし一番の問題は下山の時間であった。