「STAGE1 やきとり店を3店舗構えるんや!」。23歳で自身のやきとり店をオープンさせた貴也さん。当時彼が描いていたのは「3店舗絶対に出店する」という目標。そこから店舗名を「トリドール 3番館」とした。いまでも当時の看板を保存している。割れた看板が示唆するように全く客が来なかった。そこで貴也さんはもっと多くのお客さんに来てもらうため、様々な作戦に出る。例えばボトルの金額を安くすること。酒が安ければ客は注文するし、ボトルをキープしてもらえればもう一度来店する可能性も高まる。しかし貴也さんの真の狙いは別にあった。それは客の名前を知ることだった。貴也さんは「ボトルが50~100本になったころには店も少しは賑わうようになってきた」と語る。常に「相手に喜んでもらう方法」を考え続ける、これこそが貴也さんの商売の原点だった。そして貴也さんはやきとりで次なる勝負に打って出る。それはオシャレな洋風やきとり店。当時「おじさんが食べるもの」というイメージがあったやきとりのイメージを覆し、若い女性をターゲットにしたオシャレな店に改装した。その狙いはあたり、連日連夜大盛況。この成功をきっかけに1号店オープンから7年後、夢だった3号店までオープンさせることに成功した。しかしその成功は長くは続かなかった。「オシャレな洋風やきとり店」は一過性のブームとして過ぎ去り、女性客らはすぐに離れてしまった。群雄割拠の飲食業界で戦い抜く自分だけの強みが必要だと感じた貴也さん。そんな貴也さんにまさかの場所で転機が訪れる。
