昨日、経済同友会が提言したのは年金制度の改革。現在、年金に加入している人は3つに分類されている。1号は自営業や学生など、2号は会社員や公務員など。そして今回の提言で廃止論が出ているのが3号。2号に該当する会社員などに扶養されている配偶者で、年収130万円未満の人。3号に当たる主婦は配偶者の加入する年金制度が保険料を負担するため、自ら保険料を支払う必要がなく、老後の基礎年金を受け取ることができる。またこの制度が130万円の壁などといわれる働き控えにつながっているとして、経済同友会は第3号被保険者制度を廃止し、5年の猶予期間のうちに、3号から2号、もしくは1号に移行する案を示した。そもそも第3号被保険者制度が誕生したのは1986年。当時は結婚や出産を機に専業主婦になる女性が多く、サラリーマンと専業主婦という世帯が多数を占めていた。当初3号の加入者は約1093万人だったが、今年は676万人ほどに減少。その一方で増えているのが共働き世帯。1986年には720万世帯だったが、2022年には1262万世帯と2倍に増えている。こうした社会の変化を踏まえ、主婦主夫年金を廃止する案は他の経済団体からも。根強い不公平感。例えば、会社員と専業主婦の夫婦と、会社員の単身世帯を比べると、保険料の負担が同じであっても、夫婦の方が主婦の基礎年金分多くもらえることになる。一方、3号の当事者である専業主婦は保険料負担の増加を懸念する声も。厚生労働省の年金部会では、将来的な見直しも含めて議論されているということだが、ある幹部は「3号が無くなると厳しくなる人もいるので、すぐに廃止するというものではない」と話す。今後の議論の行方に注目。