4万年以上前の石器に関するトーク。当時の日本列島は旧石器時代。縄文時代が始まるのは1万5000年前。国内で最も古い石器が見つかった時期が旧石器時代の始まり。これまで見つかっていたもので一番古いのは3万7000年前のものだった。1980年代から1990年代に考古学者が60万年前などの遺跡を立て続けに発見したが、これはねつ造だった。ねつ造の発覚で、日本列島では後期旧石器時代より古い前期・中期旧石器時代の歴史がいったん白紙となった。この問題以降、旧石器時代の石器に求められるものはどの地層から出土したか明確であることなどとなっている。今回見つかったのは4万2000年前のもので、これらの条件を満たしている。岡山大学の稲田名誉教授は「ねつ造問題のときと異なり、冠遺跡では地層の上から順番に手堅く出土している」などと話した。せん頭器という石器は先端が尖っている。大きさは10cmほど。これは鋸歯縁石器と呼ばれ、東アジアの遺跡で多く見つかっている。国武貞克は「日本列島における中期旧石器時代の扉が開いた」などと話した。
住所: 静岡県沼津市井出