今日のテーマは「好調な香港株 今後を占う改革の行方」。好調だった日本株の上値が今年に入り重く推移する一方で、香港株は好調だという。今年の年初を100として日経平均、上海総合指数、ハンセン指数、NYダウをグラフ化の表が紹介された。ハンセン指数は先月から大きく伸びているという。NYダウを上回っている。日経平均はやや重いが、ハンセン指数は日経平均に迫る動きで投資家の注目は再び高まっている。ハンセン指数について、年初は中国経済の不透明感や米中対立とデカップリング懸念が再認識され、1月には一時15000ポイント割り込むなど株価が大きく下落したが、その後は持ち直して4月19日の16044ポイントからおよそ1カ月で20%以上急騰する場面も。背景には3つのポイントがあるとのこと。1つ目は「市場動向(低いPER)」。香港ハンセン指数は9.39倍、日経平均22.70倍、上海総合指数11.47倍、NYダウ19.23倍で割安感があるとのこと。市場では中国株の売られすぎ感が意識されて買い戻しの機運も高まるという。2つ目は「政策動向」。先月は中国当局から市場支援策が発表された。先月12日国務院が国救助を公表されて、2004年・2010年にも発表された。長期間配当が無かったり、配当性向が低い企業には警告をつける一方で、高配当の企業にはインセンティブを拡大。さらに、年複数回の配当や旧正月前の配当の推進などしている。元々配当性向や配当利回りが高い株に買いが集まったとのこと。配当利回りが高い香港上場企業は銀行や資源、通信などの国有企業がある。企業体力的にも配当を増やす余地がある。株主還元がされると投資家から評価されるという。直近の株価はハンセン指数のパフォーマンスを上回っている。3つ目は「政策動向」。証券監督管理委員会発表の5つの措置は1「ストックコネクトの対象となる株しいETFの範囲拡大」。2「ストックコネクトへのREIT組み入れ」、3「南向き取引への人員減カウンター組み入れ」、4「ファンド相互認証の取り決めを最適化」、5「中国本土業界の代表企業の香港上場支援」。中国本土の投資家は香港市場への投資は直接できないないので、上海を通じたストックコネクト制度によって投資をしているという。投資条件が緩和され、より多くのチャイナマネーを香港市場に流入させていくのが狙いだという。配当課税の免除も検討されているよう。さらに、中国人からの投資を呼び込むため香港市場ステータスをセカンダリーからプライマリーに変更する企業も増えてくると予測されているとのこと。セカンダリー上場は米国などの他の市場に上場していた企業が簡易的に上場できるとうシステム。現行規定ではセカンダリー上場はストックコネクトの対象外になるので、中国人投資家は投資できない。セカンダリー企業はジンドン、バイドゥ、トリップドットコム、NIO、アリババなどがある。アリババは8月にプライマリー上場への切り替えが完了する見通し。年内にもストックコネクトの対象銘柄になる可能性があるという。中国人投資家にとって、香港市場はさらに魅力的になる。アリババがストックコネクト対象銘柄になればおよそ200億香港ドルの資金流入が期待できる。3つ目「資金動向」。去年ごろから世界の大手の機関投資家が中国・香港に投じていた資金を、日本やインドに振り向ける動きが伝えられた。日経平均の上昇を受けて、今年1月には中国からの日本株ETF買いが膨らむなど、中国人自身が国内投資より海外投資に積極的だったことも事実。ここ1カ月は行き過ぎた動きの巻き戻し中国への資金回帰がある。中国人投資家による香港株投資のペースも上昇している。去年通年の顔越し額は2876億元だったが、今年は5月24日時点で2306億元を買い越している。香港ハンセン指数の6月の予想レンジは18000~20000ポイントだという。