大崎真理子さんは高知学芸高校出身で、作品展が迫ると美術部員たちは休日返上で作品づくりに没頭していた。部員たちの間で大崎真理子という名前は語り継がれる存在で、校内には作品が展示されている。高校文化祭の全国大会に進んだほか、別の作品はポスターコンクールで最優秀に輝いた。元顧問の平田慎一氏によると、自由奔放で、驚くべき集中力の持ち主。進学先を京都市立芸術大学に決めると、睡眠を削ってまで勉強に打ち込み、体は痩せ細ったという。担任だった佐々木康子さんは大崎さんからの手紙、年賀状を今も大切にとっていて、「よく寝て、よく食べてます」とよく書かれていたという。高校1年の時、「すべて見えるものは見えないものに触っている」という詩の一節と出会い、それをモチーフにした「見えるものと見えないもの」を制作した。「見えるものと見えないもの」は3点存在し、大学4年の時に3点目を制作。巨大な油絵で、京都市長賞に輝いた。