大学や研究機関が研究不正に対応する際のガイドラインの策定から10年が経ち、新たな問題への対応について話し合うシンポジウムが開かれた。文部科学省が2014年8月に策定したガイドラインでは研究における不正行為として、ねつ造・改ざん・盗用の主に3つのケースを示しているが、その後、当時は想定されていなかった不適切な行為が問題となり、対応の必要性が指摘されている。シンポジウムでは京都薬科大学の田中智之教授が生成AIを使い作成した架空の論文で研究業績を水増しするケースなどを紹介した。続いて行われたパネルディスカッションでは研究者が不正に手を染める背景には不安定な雇用状況があり、環境整備についてもガイドラインに盛り込むべきだという意見が出されていた。