引き取り手のない遺体は親族の代わりに自治体が火葬などを行うが自治体の負担の増加や親族との間とのトラブルなど課題が表面化している。おととし1月心筋梗塞で亡くなった男性について、京都市は身寄りがないと判断し、8日後に火葬し遺骨は無縁墓地に納骨した。その後、市内に弟夫婦がいることが判明。市は調査が不十分だったと謝罪した。こうしたトラブルが他の地域でも相次いでいる。2019年以降の5年間で、火葬後に親族などが現れ対応に苦慮・苦情を受けたケースは11自治体で14件。一方、自治体も様々な課題を抱えている。調査に数ヶ月かかることもありその間、遺体の保管が負担になっている。自治体が法律に基づいて火葬した人の数は、この10年間の記録が残る62の自治体で2倍以上に増え、昨年度は9365人だった。また国による統一のルールがないという制度面を指摘する声もある。自治体が独自のマニュアルを作るなど、手探りで対応しているのが実情。厚生労働省は自治体などを調査し対応を検討する方針を示している。神戸市や横須賀市など独自の対策に乗り出す自治体も出てきている。頼れる親族がいない時の死後事務は自分に関する情報を整理しておくなどできるところから準備を進めることが大切。