梅雨前線の影響で僅か2日で400ミリの雨が降ったのが熊本県美里町。100か所余りの道路で土砂崩れなどが発生。一時、300人近くが孤立した。ただ、災害による直接の犠牲者はいなかった。なぜ命を守ることができたのか、当時の防災担当者に話を聞く。美里町・当時の防災担当・宮嵜幸仁さんは、けが人などが出なかったのは地域のつながりの強さが要因だと振り返る。当時、消防団員だった津田惣志さんは、被害の情報が徐々に入ってくる中、住民に避難を促そうと判断したきっかけは仲間からの連絡だったという。消防団を中心に避難の呼びかけを進めた。スムーズな呼びかけにつながったのが災害や火事などに備えて作った世帯調査台帳。住民の住所や電話番号、家族構成などが記されている。さらに、自宅近くの道路の状況や住民が昼間にいる場所、そして寝室まで事細かく書かれている。台帳の情報も参考に消防団などが1軒1軒声をかけていった。命が守れた理由について津田さんは「声かけ」と話す。能登半島地震で被災した地域でもこのあと雨が強まる見込み。