石破氏の最大の課題は国会議員票だ。これまで4回挑んだ総裁選では多くの党員票を集めたこともあったが、同僚である国会議員から支持を得られず涙をのんできた。今回もすでに党内からは「石破は後ろから鉄砲を撃つ人だ。いざというときに守ってくれないだろう」という声も上がっている。小泉元環境大臣はおととい石川県輪島市の能登半島地震の被災地を視察したが、2人のライバルについては語らなかった。しかし、水面下では菅前首相が動き始めていた。同じ神奈川県が地元で、いわば師弟関係。菅前首相は複数の国会議員に電話をかけ「進次郎をやっていくから、よろしく頼む」と伝えており、周辺議員は小泉氏支持で固まりつつある。党の重鎮を味方につけ、5日後の金曜日に出馬を正式表明する見通しの小泉氏。しかし、党内では力量を懸念する声も根強い。河野デジタル大臣はきのう、地元のバスケットボールチームの激励に訪れた。数時間後にはアフリカ3か国の閣僚と会談に臨んだ。外務大臣や防衛大臣を歴任し外交力が強み。自らが所属する麻生派を中心に支持拡大を狙う河野氏。54人を擁する麻生派は裏金事件後も唯一解散を決めていない。しかし、刷新感が求められる選挙だけに党内からは「今回支持するには麻生派を離脱することが条件」という声が上がっている。多くの派閥が解散を決めてから初めての総裁選。安倍派所属・山田美樹議員は「以前は派閥でどうこうというだったのだろうけど、今回はそういうのではないので、皆さんどうするのかなと。お互い色々意見交換したりしている」と話していた。山田氏は小泉氏を支持することを決めたが、これまでの選挙とは違いを感じているという。