政治部の岩澤千太朗記者と伝える。今回の自民党役員と閣僚人事のポイントはどこにあるか。政権運営の安定、これを強く意識した人事。総裁選の決選投票では石破さんと高市さんの獲得票はほぼ互角だったので人事をうまくやらないと党を二分しかねないと話す議員もいた。決選投票で自身を支持したと見られる菅さんを副総裁に、高市さんを支持したとされる麻生さんを最高顧問に迎え、バランスを取った格好。また調整力に定評のある森山さんの幹事長起用も党内基盤の弱さを補うねらいがありそう。閣僚人事では岩屋さんや赤澤さんなどみずからに近い議員の入閣も目立ち、総裁選挙を争った8人から党役員や閣僚への起用が固辞されたケースがあったとはいえ3人にとどまった。こうしたことへの不満も出ており、石破さんとしてはまずは挙党態勢の構築が課題になる。そして衆議院選挙、来月27日に投開票を行う日程を軸に最終調整が進められている。どんなねらいがあるのだろうか。新政権発足直後は支持率が高くなる傾向があることも背景にあると思う。実際にはどうなるかは分からないが、党内には石破さんが党の顔となったことで支持率上昇に期待する声が出ている。一方で国民は石破政権が政治とカネの問題にどう取り組むか冷静に見ている。信頼回復は容易ではないと話す議員もいる。このため石破さんとしては支持率や野党の出方などを見極めながら最終的に解散を判断するものと見られる。