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「佐倉市立佐倉幼稚園」 のテレビ露出情報

今、全国で公立幼稚園の閉園が相次いでいる。幼稚園には主に学校法人などが運営する私立幼稚園と自治体が運営する公立幼稚園がある。私立は特色のある教育カリキュラムで園児を集める一方、公立は入園に特別な条件がないことが特徴で病気や障害のある子どもたちの受け皿にもなってきた。閉園が相次ぐことでこうした子どもが居場所を失いかねない事態が起きている。幼児教育の現場で何が起きているのだろうか。千葉県佐倉市の駅前。市の教育委員会から市内で唯一の公立幼稚園を閉園するとの方針が示されたことを受け、保護者などが存続を求める署名活動を行った。大正時代に作られ、110年以上の歴史を持つ佐倉幼稚園。教育委員会は閉園の理由を園児の数が定員を大幅に下回っているためなどとしている。2015年からの7年間で全国で1400以上の公立幼稚園が閉園。背景にあるのがニーズの低下。共働き世帯が増え保育所などに子どもを預ける人が増えたことや幼児教育や保育の無償化で私立幼稚園を選ぶ人が増えたことにより、公立に園児が集まりにくくなったとされている。その結果、自治体による公立幼稚園の閉園が相次ぎ、中には全廃したケースもある。
公立幼稚園は地域で独自の役割を果たしている。東京・葛飾区の水元幼稚園。65人の定員に対し園児は18人。定員を満たせないことから今年度いっぱいで閉園し3キロ離れた別の公立幼稚園に統合される予定。この幼稚園は病気や障害などがあり、特別な支援が必要なため私立では受け入れが難しいとされた子どもたちを受け入れている。18人の園児のうち8人が該当する。多動の傾向がある園児。集団での遊びがあまり得意でなく教室の外へ飛び出してしまうこともしばしば。先生はこの園児を連れ戻すことはせず、好きな遊びに集中できるようそばで見守る。長年の経験に加え週に1回の勉強会を開くことでこうした子どもへの対応のしかたを身につけている。母親は公立幼稚園にはこれからもその役割を果たしていってほしいと考えている。
葛飾区に公立幼稚園が生まれたきっかけは1970年代の第2次ベビーブーム。私立幼稚園だけでは子どもを受け入れきれず、区は私立の補完を目的に5つの公立幼稚園を整備した。ところが、近年少子化や保護者のニーズの変化により、公立幼稚園への入園希望者が減ったことで区は規模を縮小。来年度からは区内に32ある幼稚園のうち公立は1つのみとなる。葛飾区の教育委員会は支援が必要な子どもの受け入れについて今後私立幼稚園に対し教員の配置や施設の整備に関する支援などを行うことで環境を整えていくとしている。幼稚園の在り方に詳しい専門家は自治体から公立幼稚園がなくなってしまうことは避けなければならないと指摘する。葛飾区の私立幼稚園の関係者を取材すると特別な支援が必要な子どもを受け入れている園はあるとしたうえで受け入れには人手がかかり、経営の圧迫になるなどの課題があるとしている。公立の幼稚園には先進的な幼児教育の研究や実践を進めて発信していくという役割もある。兵庫県伊丹市では公立幼稚園を拠点園と位置づけて支援が必要な子どもの保育の実践例などを私立幼稚園に公開している。担当者は公立と私立が協力して支援が必要な子どもとそうでない子どもが共に学ぶ教育を推進していきたいとしている。公立幼稚園を含む幼児教育の在り方については文部科学省の有識者検討会でも議論されていて、秋ごろに最終報告を発表する予定。

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