ことしの元日に発生した能登半島地震。被災地で大きな課題となっているのががれきの処分。これを信楽焼の技術で再生して復興支援につなげようという取り組みが始まっている。能登半島地震で被害を受けた住宅は8万9千棟(10月22日時点)。災害廃棄物は300万トン。信楽焼の窯元・小川公男さんは被災した人々に必要な食器を届けるボランティアを続けてきた。がれきの山の中で小川さんの目にとまったのが「能登瓦」。これで新しい命が生まれるような形で再生陶器ができたらいいなと強く感じたという。小川さんはこれまで信楽焼の材料として素材の活用技術を磨き、そのノウハウを生かし瓦を再生させたいと考えた。瓦は粉末にし信楽の粘土と混ぜる。能登瓦の美しい色とつやはそのままに新たな形に生まれ変わった。器は能登の人たちにプレゼント。更に国内外の取引先に販売し復興に役立てようというプロジェクトも進んでいる。故郷の記憶を復興の力に焼き物に託す心の支援。