正倉院から宝物を持ち出すには天皇陛下による許可が必要だが、ちょうど、蘭奢待の調査が行われていた。表面は樹脂に覆われ、熱を加えると樹脂が揮発し、良い香りを発する。科学調査の結果、ラオス、ベトナムから伝来したという。過去に織田信長、銀閣寺を建てた足利義政が表面の一部を切り取っている。義政と親交のあった志野宗信が香道の流派の1つ、志野流を創始し、蜂谷宗苾氏は21代目継承者。教えに六国五味があり、六国で香木を品質の違いによって6つに分類し、五味で香りを表現する。義政は香木の調査を指示し、「六十一種名香」にまとめられた。蘭奢待は最上級と位置づけられ、五味を網羅しているとされる。