観光客など年間1900万人あまりが利用する那覇空港には航空自衛隊那覇基地が隣接する。昨年度、領空を侵犯する恐れのある航空機に対し、401回ものスクランブル発進を行った。基地内には箱型の建物があるが、ミサイルが着弾した際に破片などから隊員を守る「退避壕」とされる。一昨年、ウクライナの軍民共用の飛行場にロシアからのミサイルが着弾した。防衛省関係者によると、戦争が起きると戦闘機など離着陸できないように「まず、滑走路などが標的になる可能性がある」。退避壕の建設は台湾有事による不測の事態を想定したものだが、ロシアによるウクライナの飛行場への攻撃も背景にあるという。危機管理の専門家は住民への説明がないまま基地強化が進むことを懸念する。防衛省は今後、作業を本格化させ、約10ヶ所に退避壕を建設する方針。