三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作によるきょうのドル円の予想レンジは、158.00~159.80円。本日はアメリカで失業保険の関連データが発表されるが、最近のドル円はアメリカの経済指標の結果よりも原油価格の動向に鋭く反応する傾向がある。原油が大きく動いた場合はレンジが破られる可能性もある。注目ポイントは「過去最低を更新、日本円の購買力」。日銀が発表した1月の実質実効円指数は、1年半ぶりに過去最低を更新。世界の市場における円の総合的な購買力は、約30年間で3分の1に落ちたことになる。現在のドル円相場は2024年につけた161円台よりも円高の水準で取引されているが、ドル以外の通貨に対して円安が進んだことが原因。今年に入って円は対ユーロ、対人民元(本土外市場)で最安値。ドル円は介入が入ったが、介入のない通貨に対しては他にも記録的な円安が進んでいる。日本の国力低下が円安の背景。日本の生産年齢人口が減り始めた1995年を頂点に、円の購買力は下落に転じている。少子高齢化で人口が減ると、経済の潜在成長率や自然利子率が下がり、個人や企業の長期投資が海外に流出する一方、国内の生活必需品やデジタル基盤の供給不足を補うために為替の実需決済が赤字になり、構造的な円安圧力が発生する。介入は一時的な応急処置であり、中期的には金融政策の正常化、長期的には財政規律の回復や国力の増強などが必要。
