PK戦にはスポーツの美しさと勝負の残酷さがある。たった1蹴りに積み上げてきたこれまでの努力、仲間や応援してくれた人たちの思いが込められている。今大会、その思いを誰よりも知る選手がいる。千葉県代表・流通経済大柏の安藤晃希選手だ。来シーズン、J1で戦う水戸に加入内定の注目選手だ。前回大会決勝、安藤選手はチームの2年生で唯一出場。スピードをいかしたドリブルを武器に相手ゴールに迫るなど会場を沸かせた。勝負はPK戦へ。互いに譲らず決勝市場最長の激闘になった。迎えた10人目となる安藤選手のシュートはキーパーに弾かれ失敗。その後後攻の前橋育英が成功し、優勝にあと一歩届かなかった。歓喜に湧く相手の姿を見ることが出来なかった。それでも安藤選手を再び立ち上がらせたのは先輩たちからの言葉だった。「自分がチームを勝たせる」と先輩たちの思いも背負いスタートした高校ラストイヤー。強い責任感を持つ安藤選手に榎本監督が求めたのは「自分らしさ」だった。悔しさと覚悟を胸に安藤選手は自分らしいプレーで先輩たちに“日本一”という恩返しを誓う。
