救急科専門医として30年間大学病院や総合病院の救命救急センターで勤務したカズオさんと大学病院の救命救急センターで5年勤務した看護師のユキさんに話を聞いた。日本の救急医療体制は比較的症状の軽い患者に対応する一次救急、手術や入院が必要な重症患者に対応する二次救急、二次救急では対応できない重篤な救急患者に対応する三次救急の3段階に分かれている。2人が働いていた救命救急センターは三次救急医療を行う施設。カズオさんは救命救急は専門医が来るまで患者をもたせる仕事、毎日判断と選択しかしていない、ドラマのようには助からない、現実と違いすぎてこんなドラマは作ってはいけないという論文がある、心肺停止患者100人中元気に帰れるのは数人と話した。ユキさんは髪の毛をセットする先生もいないし看護師も女医もすっぴんが多いと話した。カズオさんは若いときは目の前で患者が亡くなるたびにダメージを負っていたが次第に割り切れるようになった、今では「100%ダメです」と言い切るときもあると話した。ユキさんはなるべく家族の側で感情を表出できる環境を作ることを心がけていたと話した。カズオさんは家族に寄り添いすぎないようにしていた、救急医は限られた時間で選択せざるを得ないと話した。ユキさんは1年目の時に救急で自殺未遂で運ばれた患者が翌日帰る予定だったが病室で自殺した、助けられた命が目の前で消えちゃったのがショックだったと話した。