現在のウクライナ戦争でアメリカやイギリスが供与をしている劣化ウラン弾について炸裂した際に放射性物質が飛び散ってがんなどを引き起こすとの懸念が指摘されていて、因果関係は分かっていないもののかつてイラク戦争や湾岸戦争などで使用されたイラク国内ではここ30年でがん患者が3倍になっているという。名古屋市内の大学病院では今夏にイラクから研修を受けるために2人の医師が赴任した。2人は白血病などを専門としていて、名古屋では骨髄移植の診察などに立ち会っている。血液内科医のモハメド・アルファルトゥーシさんは普段イラク南部の都市のバスラで働いていて、かつて湾岸戦争・イラク戦争でアメリカ軍が劣化ウラン弾を大量使用したとされている。そのためモハメドさんは1週間に100人近くの血液疾患患者を診察しているが、骨髄移植が必要な場合は十分な設備がないため首都バグダッドや国外で移植を持ってもらうしかないという。今年4月には担当していた18歳の患者が渡航前に亡くなり、改めて骨髄移植のための環境整備の必要性を痛感したという。この日名古屋でモハメドさんは移植後の患者の検診に立ち会い、術後の様々なケアについて日本人医師に質問していった。愛知県内ではモハメドさんのように研修を受けてきたイラクの医療関係者が約20年で50人以上いて、現在バスラでは帰国した医師らが中心となって初の骨髄移植センター開設計画が進められている。