上川外務大臣は訪問先の米国・ニューヨークで中国の王毅外相と会談した。会談の冒頭、王毅外相は「国連総会の場でお会いできたことは戦略的互恵関係を前に進めるのに有意義だ。上川大臣を北京に招待したい」と述べた。これに対し上川大臣は中国広東省の深センで日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に男に刃物で刺されて死亡した事件についてふれ、事実の一刻も早い解明や再発防止、日本人の安全確保の徹底などを求めた。さらにSNSなどで見られる両国の対立をあおる投稿を早急に取り締まるよう要請した。これに対し王毅外相は「今回起きたことは偶発的な個別事案であり法律にのっとり処理していく」と述べた。また中国外務省によると会談で王毅外相は「日本側は事件を冷静かつ理性的に扱うべきで、政治問題化するのを避けなければならない」と強調した。一方、上川大臣は東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出を巡り両国が合意した日本産水産物の輸入再開について「追加的なモニタリングを早期に実施し規制の撤廃に向けた進展を確実に示していきたい」と述べた。