羽田空港にある大手航空会社の格納庫では、千人以上の整備士が作業にあたっている。会社として、整備士の疲労回復をサポートしたいと25台の仮眠専用シートが導入された。時間は十五分から三十分の間で設定。音楽で眠りを促してくれる。起床時間になると、シートが動いて、鳥のさえずりが聞こえる。深い眠りに入る前に、確実に目覚めることができるという。大阪市内に三月にオープンした健康機器の体験スペースでは、仮眠用のイヤホン型装置を体験できる。大手電子部品メーカーと筑波大学が共同研究で開発したもの。超小型センサーとAIで、目覚めに最適なタイミングを割り出す。センサーで血流量を測定し、睡眠段階ごとの血流量の特徴をAIに学習させて、眠りの深さを推定する。三段階ある眠りの深さが段階二に入った九分後に音楽を鳴らして起床を促す。一日三十分までの仮眠の時間を業務時間として認める企業も出てきているという。