新潟県佐渡市相川北沢町にある北沢浮遊選鉱場に、ことし4月からたこ焼きの屋台が出店。企画したのは地元商工会の若手らでつくる街づくり団体『相川車座』。相川車座・原田光さんは「(昨夏は)たくさん観光客が来て、相川でお昼ご飯をどこも食べられない。要は飲食難民みたいなかたちになりこれは何とかしないといけない」と話す。相川中心部での滞在時間が短いのが悩み。相川周遊バスの路線。施設の規模や性質が違うため単純な比較はできないが2023年度の「史跡・佐渡金山」の入場者数はおよそ14万人。一方、相川の中心部にある佐渡金山のガイダンス施設「きらりうむ佐渡」はおよそ2万人と、金山の7分の1ほどにとどまっている。相川の中心部に人を呼び込み、滞在時間を伸ばしてもらいたいと考え相川車座が準備を進めているのがホテル。相川車座・岩崎裕哉さんが「(居酒屋に)ホテルのチェックイン機能を持たせてチェックインした後、居酒屋でそのまま“ウェルカムドリンク”を提供します」と説明。商店街にある居酒屋はホテルのフロントの役割をするが宿泊用の部屋はない。相川車座・岩崎裕哉さんは「客室に行くために歩いて頂いて、街の雰囲気をまず楽しんでもらうのが狙いですね」と話す。地域に点在する空き家などを改修し受け付けや宿泊、飲食などの機能を分散。こうした宿泊施設は『分散型ホテル』と呼ばれ、宿泊客が建物を移動して街や人と触れ合い空き家の解消にもつながる。焼き物『無名異焼』の窯元の部屋、内蔵の部屋を紹介。「相川車座」は国の補助金などを活用し相川の中心部に宿泊施設を4か所つくった。いずれも世界文化遺産登録の可否が決まるとみられる7月の開業を予定している。相川車座によると現在、相川での観光客の滞在時間は3時間ほど。目指すのは3日間の滞在とリピーターの獲得。相川車座・雨宮隆三社長は「相川は風が強い日もあるから、内蔵の造りが多いんですよ」と説明。相川車座では今後、空き家を活用したホテルや飲食店をさらに増やす予定。雨宮社長は金山の世界文化遺産登録については冷静に見ていた。目指すのは100年先の相川のまちづくりだ。