7月17日は2005年に北海道の知床が世界自然遺産になった日。しかし、知床で携帯電話の基地局建設をめぐって問題が起きている。土屋敏之解説委員が「以前から自治体などが基地局の整備を求めてきたが、2年前、観光船の沈没事故を受けて整備計画が具体化した。環境省は計画を許可、整備が始まった。しかし、送電線が伸びていない知床岬で電源を確保するために、サッカーグラウンドぐらいの敷地に太陽光パネルを並べて2kmにわたりケーブルを埋設するなど、かなり大掛かりな工事になることが判明し、今、待ったがかかっている。天然記念物のオジロワシなど希少な生き物への影響がほとんど調査されておらず、これには自然保護団体に加え、世界遺産の保全管理を助言する専門家の委員会でも批判が相次いだ。世界遺産の作業指針では、遺産の価値に影響する可能性がある新規の工事は事前にユネスコに通知するよう求められているが、日本政府は今回、影響はないとして通知していなかった。これについては先月、ユネスコの諮問機関IUCNの日本の窓口ともいえる団体が報告を上げていて、すでにユネスコから日本政府に確認が寄せられ、政府は対応を求められている」とスタジオで述べた。