横綱となった千代の富士は優勝を重ねた。10回目の優勝を果たした昭和59年九州場所で千代の富士は記念撮影の場に1歳の長女・優ちゃんを連れてきた。当時の相撲界では記念撮影であっても女性や子どもが入るのはご法度という空気があったが、千代の富士は賜杯を持って一緒に記念撮影した。その後、長男・剛、次女・梢とも記念撮影をしている。家族思いだった千代の富士は後に北勝海となる保志も弟のようにかわいがった。53連勝の大記録を打ち立てた千代の富士に平成元年2月、三女・愛ちゃんが誕生した。3月の春場所で優勝した千代の富士は愛ちゃんと一緒に記念撮影を果たしたが、6月に愛ちゃんは亡くなった。7月の名古屋場所、千秋楽の相手は12勝3敗で並んだ北勝海。史上初となる同部屋横綱の優勝決定戦となった。千代の富士が勝利して28回目の優勝を果たした。