3年目、新庄のシナリオには優勝の文字が描かれていた。迎えた開幕戦、先発・伊藤が抑えれば、打線が応える。実に5年ぶりの開幕戦勝利。その後もファイターズの勢いは止まらない。打線では田宮、ブルペンでは金村の活躍で5月までチームは好調。3年目、新庄の勝利への執着は強い。だから誰であっても特別扱いはしない。監督として大きく自信をつけた3年目。しかしそれと同じぐらいの不安がつきまとっていた。一生懸命な選手、自分を信じてついて来てくれる選手みんなを幸せにしたい。新庄は選手の人生のシナリオを描いてみせる。8月、クライマックスシリーズ進出の正念場。ロッテとの3連戦のため千葉へ乗り込んだ。初戦、1番レフトに水谷を起用した。第一打席、先頭打者ホームランで勢いにのったファイターズは初戦をものにする。第2戦、レイエスがホームランを打つなど1-7で勝利。そして第3戦。ロッテは満を持して佐々木朗希がマウンドにあがる。令和の怪物を攻略したのは清宮幸太郎。新庄監督がキーマンとしてあげた3人が大活躍。2位争いをしていたロッテとの直接対決で3連勝を飾った。そんな選手が躍進を遂げた今シーズン、実は奇跡の物語が隠されていた。翌月、木村勝球団社長が倒れた。14時間の大手術、一命をとりとめた新庄監督は何度も見舞いに駆けつけた。奇跡の復帰を果たした。新庄監督の元、エスコンでクライマックスシリーズを。シーズン終盤、勝負強さが増しかつてない熱気を増していた。思いが届いがやってくる。今年のファイターズを象徴するかのようなサヨナラ勝ちで2位を確定させた。2年連続最下位から2位へ大躍進。接戦での勝負強さに観客動員数が7年ぶりに200万人を超えた。自身初のクライマックスシリーズに驚かせるシナリオを新庄監督は描いていた。ファーストステージ開幕。言葉とは裏腹に初戦を落とし迎えた2戦目。9回裏、万波中正が同点ホームランを放ち、淺間大基のヒットでサヨナラ勝ちで逆王手。迎えた3戦目、次なるステージへ若き選手が逆境をはねのける。そして前日の勢いそのままに2戦をとりソフトバンクとの決選へ。敵地での初戦。ここまで新庄監督の描くシナリオ通りのはずだった。0勝4敗でクライマックスシリーズ敗退。
住所: 千葉県千葉市美浜区美浜1
URL: http://www.marines.co.jp/stadium/
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