ここ数週間の異常なお米の品薄状態。どこまで続くことになるのか。スーパーアキダイ関町本店では午後5時には千葉県産の新米5kgが19袋並んでいたという。ただ、仕入れ値が2割から3割ほど高くなっているため価格も上げざるを得ない状況だが、このお店ではここ1週間ほどで状況は変わってきたという。関係者に取材したところ見えてきたのは品薄の連鎖。大元は去年のお米の不作だった。これによりゴールデンウィーク明けごろから普段は在庫に余裕がある米を業者から安く仕入れて売っていたディスカウントストアなどで米の入手が難しくなって品薄に。そして安いお米を買えなくなった消費者がスーパーなどで購入して品薄に。これに拍車を掛けたのが南海トラフ臨時情報や台風の接近だった。こうした買いだめなどもあり連鎖で店頭から急速にお米が消えてしまったとみられている。ただ、農林水産省によると今年の新米の生育は全国的に順調。例年より1週間程度出荷を前倒しできる産地もあり店頭の品薄感は9月中旬から下旬ごろには回復するという見通しもある。大手のスーパーでは店頭の価格が去年の同じ時期に比べておよそ1.2倍から1.5倍ほどになっており、新米も価格が上昇する見通しだという。ただ、農林水産省の担当者は価格が上昇したあとは消費が落ち込むことも予想されて10月の販売が低調になる可能性があるとみており価格が下落する可能性も視野に入れている。警視庁の警備部災害対策課のSNSを見ると1日2合を炊く家庭では5kgのお米があれば17日分持つというような備蓄の目安が出ている。一方、買いだめをしたとしても精米されたお米は長期の備蓄には向かない。時間が経てば経つほど味が落ち、虫も付きやすくなるということで農水省では低温で保存しても1か月が目安だとしている。