科学はこれまで手術、放射線、抗癌剤治療という3つの柱でがんに立ち向かってきたが、今新たな柱として免疫療法が注目されている。アメリカトップクラスのがん専門病院は、ある特徴を持った直腸がんの患者49人に免疫療法を行ったところ全員のがんが消えたという治験の結果を発表した。日本でも治験が始まっており、去年直腸がんのステージ3と診断された根岸さんは、2週間に1度1年間免疫の薬を投与するだけでがんが見つからなくなった。がんは免疫細胞が異物であると認識しやすいMSI-Highというタイプで、ノーベル賞を受賞した本庶佑さんの研究をもとに作られた薬で免疫細胞を活性化させることでがんを攻撃することができた。本庶さんが発見したPD-1は免疫細胞自身のブレーキボタンで、がん細胞に押させないようにする免疫チェックポイント阻害剤を開発し、免疫の力を引き出す治療を可能にした。ただ効果が高いと期待されるMSI-Highの患者は直腸がんで最大3%ほどにとどまっている。
