2026年9月20日放送 21:00 - 21:50 NHK総合

NHKスペシャル
病への挑戦 がん治療最前線 がんが消えた!克服の道

出演者
リリー・フランキー 赤木野々花 仁科亜季子 西川博嘉 
(オープニング)
病への挑戦 第1集 がんはどこまで治せるか

今がん医療に新たな可能性が広がっている。早期発見が難しいすい臓がんをステージ0の段階でサインを検出する研究が進んでいる。免疫の力でがんを制御する最新治療も生まれた。

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リリー・フランキー
オープニング

オープニング映像。

病への挑戦 第1集 がんはどこまで治せるか
がんはどこまで治せるか 克服のカギは免疫の力

MCはリリー・フランキー、赤木アナ。がんとは何者なのか、どう克服できるのかを伝える。

謎多きがん その正体とは?

がん研有明病院には承認されていない治療を試験的に行う専門の診療科があり、効果の見込める治療がないと告げられた患者が訪れている。治験に参加している小松さんは、まだ名前のない番号で示された薬の投与を受けている。50代で卵巣がんと診断され、ステージ4の状態だった。手術と抗癌剤治療でがんが確認できない状態まで改善したが、3か月後に再発が見つかった。主治医からはこれまでの薬の効果は10%に下がる、1年もたないと告げられた。国立がん研究センターの西川さんはがんの正体を30年にわたって追い続け、世界的に注目されている。

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がん研有明病院国立がん研究センター
最新科学が捉えたがんの姿 免疫も操る巧みな戦術

西川さんは制御性T細胞「Tレグ」の研究を重ねてきた。多くの免疫際は異物を排除しようとするが、過剰に働くと自己免疫疾患やアレルギーを引き起こしてしまう。Tレグは免疫の過剰な攻撃を感知するとブレーキをかける免疫の調整役で、西川さんはがんがTレグを特殊な力で悪用していることを明らかにした。ある肺がんについて調べていたとき、Tレグが調整役として働きキラーT細胞ががん細胞を攻撃できなくなっている状態を発見した。研究の結果、がんは免疫細胞が互いに化学物質を出してコミュニケーションをとっている仕組みを悪用し、Tレグをおびき寄せる化学物質を出していることがわかった。またがんは糖を食べて乳酸を出すが、乳酸がTレグのエサになっていることもわかった。がんは大量の乳酸を生み出してTレグを活性化させていた。ジョンズ・ホプキンズ大学のアシュリー・キーメン助教は、私たちの多くが小さながんの種パニンを持っていると話した。すい臓がんの種パニンは、がん関連線維芽細胞を盾にして身を守っている可能性があることがわかった。スタンフォード大学のマイケル・アンジェロ准教授は、がん細胞だけを見てもがんの全体像は理解できない、生態系の中での関係性こそが治療効果を読み解く重要な手がかりと話した。

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ジョンズ・ホプキンズ大学タイムラプスビジョンノーベル賞メリーランド州(アメリカ)制御性T細胞国立がん研究センター坂口志文大阪大学
最新科学が捉えたがんの姿 免疫も操る”生態系”

ゲストの仁科亜季子は38歳で癌になり、子宮けいがん、胃、小腸、大腸を経験したと話した。西川さんは、がん細胞は正常細胞とほぼ同じ遺伝子を持っているので正常細胞ができることは何でもできる、新しい変異が入ることによってがん細胞は無秩序に増殖する、周りの免疫細胞まで巻き込んでがんになっていくと話した。

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制御性T細胞
手術なしでがんが消える免疫療法とは

科学はこれまで手術、放射線、抗癌剤治療という3つの柱でがんに立ち向かってきたが、今新たな柱として免疫療法が注目されている。アメリカトップクラスのがん専門病院は、ある特徴を持った直腸がんの患者49人に免疫療法を行ったところ全員のがんが消えたという治験の結果を発表した。日本でも治験が始まっており、去年直腸がんのステージ3と診断された根岸さんは、2週間に1度1年間免疫の薬を投与するだけでがんが見つからなくなった。がんは免疫細胞が異物であると認識しやすいMSI-Highというタイプで、ノーベル賞を受賞した本庶佑さんの研究をもとに作られた薬で免疫細胞を活性化させることでがんを攻撃することができた。本庶さんが発見したPD-1は免疫細胞自身のブレーキボタンで、がん細胞に押させないようにする免疫チェックポイント阻害剤を開発し、免疫の力を引き出す治療を可能にした。ただ効果が高いと期待されるMSI-Highの患者は直腸がんで最大3%ほどにとどまっている。

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MSI-HighPD-1YouTubeがん免疫総合研究センターノーベル賞千葉県国立がん研究センター東病院
がん克服のカギ 免疫の力

遺伝子変異によってがんが正常細胞のふりをして免疫細胞に気づかれないようにするタイプもある。こうしたがんには、免疫療法はききにくいとされている。西川さんは、がんがおびき寄せたTレグを攻撃側に変えようという試みも進んでいると話した。日本では科学的に効果と安全性が確認された免疫療法は国の承認を受けて保険適用がされている。

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MSI-High制御性T細胞
がんとの闘い ”AI”新たな一手

ドイツではAIがゲノム情報を解析し、それをもとにオーダーメイドの薬を作る研究が始まっている。個別化がんワクチンはがんの遺伝子変異によって表れる目印を免疫細胞に教えこんでがんを攻撃しやすくする。AIが患者ごとに異なる目印を見つけ出すことで、オーダーメイドの薬が可能になる。この薬は日本の大手IT企業が開発している。治験に参加しているレーニヒさんは2年前出産してすぐに乳がんと診断され、抗癌剤治療と手術で改善したが、レーニヒさんのがんは再発しやすい特徴があった。レーニヒさんは再発を防ぐために薬を飲んでおり、安全性と効果の検証が行われている。早期発見が難しいすい臓がんでも、がん診断前の変化の特徴をAIに学習させて早期発見につなげる研究が進められている。

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エアランゲン大学病院タイムラプスビジョンバイエルン州(ドイツ)日本電気神戸大学神戸大学医学部附属病院西川博嘉
がんとの闘い ”AI”新たな一手/がんはどこまで治せるか

上海のバイオベンチャー企業の研究所では、24時間365日AIが導き出した薬の候補をロボットが検証している。AI自身が治療のターゲットを探して設計もしている。AIが設計したがん治療薬の候補がすでに4種類治験に進んでいる。従来新薬の開発では動物実験に至るまで15年ほどかかっていたが、AI創薬は最短9か月まで短縮される。

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インシリコ・メディシン上海(中国)
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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