今後30年以内の発生確率が80%程度とされている南海トラフ巨大地震の、国の被害想定が全面的に見直された。死者は最悪の場合29万8000人で、前回10年余り前の想定から僅かな減少にとどまった。ただ、これまで取り組んできた対策がさらに進めば犠牲者は大幅に減るとしている。被害想定などの報告書は、国の作業部会で主査を務めた名古屋大学の福和伸夫名誉教授から坂井防災担当大臣へ手渡された。揺れの想定、津波の想定の紹介。死者は最悪で29万8000人。最も多くなるのは冬の深夜に起きた場合で、津波によるものが最も多くなっている。この10年、防潮堤の建設や津波避難タワーの整備など迅速な避難に向けた取り組みが進んだにもかかわらず、死者の数が前回の32万人から8%ほどの減少にとどまった。ただ“対策がさらに進めば犠牲者は大幅に減るとしている。また「災害関連死」が初めて推計され、最悪の場合5万2000人と東日本大震災のおよそ13倍に上るおそれがあり、避難者の生活環境の改善などが急務となっている。