りなさん(仮名・20代)は出産直後の娘を育ての親に託した。父親にあたる人には話せず、1人で悩んだ末、千葉市で活動する民間団体に連絡したという。1歳になるまでは団体から娘の写真が毎月届いた。「娘には嫌いとか必要ないとかっていうわけで託したんじゃないよと言いたい」と語った。この団体は生みの親と育ての親・双方の支援をしている。育ての親の希望者への研修を見せてもらった。特別養子縁組は民間の事業者や児童相談所などが縁組の斡旋を行う。厚生労働省は斡旋事業者に対し、縁組に至った経緯がわかる記録を「永年保管」するよう求めており、この団体では生い立ちに関する資料を厳重に保管していた。