厚労省は公的年金の見通しを公表した。現役世代は平均手取り月37万円、モデル世帯は会社勤めを終えた夫と専業主婦で月22万6000円と試算されている。この場合は平均手取りの61.2%となっていて、政府は50%以上にすることを定めている。これに対し、将来の試算では実質賃金2.0%の高経済成長を実現した場合は手取りが45万5000円・年金は25万9000円で手取りに比べて年金の割合は56.9%となっている。理想的な成長を遂げた場合でも年金の割合が下がる背景には給料に比べ給付の伸び率を抑える設計となっていることが背景にある。低成長の場合は給料は41万8000円に対し、年金は21万1000円で50.4%となる。経済が停滞してしまった場合も給料は38万2000円に対し、年金は19万1000円で50.1%と予想されている。専門家の小黒一正氏は低成長の場合となる可能性が高いとしている。また、この試算は出生率が現状の1.20から1.36まで回復し労働人口が増加するという前提に基づいたものとなっていることから準備が必要と指摘がある。