東京大学大学院特任教授の会田薫子さんが“人生会議”について解説。1990年代にアメリカで始まったAdvance Care Planning(ACP)の日本でのニックネーム。日本の臨床現場では事前指示を前提とした米ACPを先行モデルとした医師が多かった。事前指示とは将来の意思決定困難時に備え、本人が医療に関する希望をあらかじめ文書で示したもの。例えば人工呼吸器や胃ろうなどの個別の医療行為について希望の有無を示すリビング・ウィル、本人の代わりに意思決定を行う代理人を指名することなどが挙げられる。1970年代に米カリフォルニア州で法制化され全米へ広がったが、日本では取り入れられなかった。事前指示は心身の状況は変化するため個別の医療行為に関して対応できない、本人の意思は変化しやすい、代理人の決定が本人の意思と異なるなどの問題点があったので、次に考え出されたのがACPだった。事前指示制度の弱点を補うため対話のプロセスを重視する。米では事前指示書の作成を重視しているが、日本では事前指示書の作成が法制化されていない。厚生労働省の調査によると、法制化を望まない国民が多く、事前指示作成に消極的な人が多いという。日本でも事前指示書を作成する人がいるが、1回作って終わりではなく繰り返し見直して改善していく必要がある。
日本老年医学会はACPを「将来の医療・ケアについて本人を人として尊重した意思決定の実現を支援するプロセス」であると定義。アメリカにはない「人として尊重」を付け加えた。日本には「推し量る文化」「忖度文化」があり、本人は医師や家族に塩嶺してなかなか本心を語ることができない背景がある。医療・ケアチームは本心を語ることができるよう支援したり、本心を察してくみ取る必要があると指摘。人として大切にするにはどうするかという考え方が求められる。家族の役割は代弁と話し合いであって、代理決定ではない。日本老年医学会は家族は本人の「代弁者」と呼ぶことを勧めている。日本型ACPでは対話のプロセスに一層の重点を置く必要がある。家族の負担を軽減する話し合いも重要である。ACPと題して事前指示書を渡して署名を求める病院があるが適切ではない。事前指示書の作成を躊躇する人に作成を強要することがあってはならない。
日本老年医学会はACPを「将来の医療・ケアについて本人を人として尊重した意思決定の実現を支援するプロセス」であると定義。アメリカにはない「人として尊重」を付け加えた。日本には「推し量る文化」「忖度文化」があり、本人は医師や家族に塩嶺してなかなか本心を語ることができない背景がある。医療・ケアチームは本心を語ることができるよう支援したり、本心を察してくみ取る必要があると指摘。人として大切にするにはどうするかという考え方が求められる。家族の役割は代弁と話し合いであって、代理決定ではない。日本老年医学会は家族は本人の「代弁者」と呼ぶことを勧めている。日本型ACPでは対話のプロセスに一層の重点を置く必要がある。家族の負担を軽減する話し合いも重要である。ACPと題して事前指示書を渡して署名を求める病院があるが適切ではない。事前指示書の作成を躊躇する人に作成を強要することがあってはならない。
