夫が会社員で、妻が専業主婦の夫婦2人をモデルとして、現役世代の収入をもとに年金額が試算された。過去30年の経済成長が投影されたケースでは、現在65歳の人は22万6000円で、現在30歳の人は21万3000円などとなっている。現役世代の手取り額と比べた年金世代の受給額の割合を示す所得代替率は、現在65歳の人で61.2%、現在30歳の人で50.4%などとなっている。智田は、年金支給額が賃金上昇に応じて上がっていないため、所得代替率自体は下がっているなどと話した。前回の財政検証では、所得代替率が5割を切るという予想も出ていたが、今回の検証では、最悪のケースを除き5割はキープできていて、改善していると言える。背景には、女性や高齢者で働く人が増加したことや、年金運用の改善などがあるという。所得代替率を上げるには、保険料を支払う人を増やす必要があり、厚生年金のパートなどの企業規模要件の廃止などが検討されている。智田は、景気が悪くないことを想定した試算であり、今後、働く高齢者が増えるなか、全体像を見据えた議論を行っていく必要があるなどと話した。