日本の安全保障にも関係する4年に一度の台湾総統選は先ほど投票が締め切られ、開票作業が行なわれている。現時点では中国と距離を置く与党の頼清徳候補がリードしている。中継先の台北市では投票が30分ほど前に締め切られ、頼氏の支持者はこの場所で開票結果を注視している。先ほどの時点で開票はまだ10%ほどだが既に頼氏が10万票以上の差を付けている。これまでの世論調査でリードする頼氏は今朝、南部の台南市で投票を行った。総統選では中国とどう向き合うのかが争点となっていて、日本にとっても安全保障の環境を左右する問題となっている。頼清徳候補はこれまで野党候補2人に対し「中国との統一という偽りの平和を求めている」と話し、自身は中国と距離を置いて圧力に対抗する姿勢を示してきた。一方で総統選と同時に行なわれる立法委員選挙では民進党の議席が過半数を割るとみられ「選挙後に民衆党の柯文哲候補に接近するのではないか」との観測も出ているとのこと。下馬評通り、頼氏当選の可能性が高いとみられるが安定した政権運営が出来るかが注目される。一方で中国と融和的な対応を取る新北市では国民党の侯友宜候補がこの後登場するものと思われる。8年ぶりの政権奪還を目指した国民党だが、最後まで民進党に追いつくことは出来ず、政権交代は実現しない見通しである。特に選挙戦最終盤、馬英九前総統が習近平国家主席に対して「信用しなければならない」と語ったことから陣営の足を引っ張り、民進党と民衆党へ票が流れていくという最悪の結果を招いている。この選挙の結果を見守っているのが中国である。民進党が有利にならないように経済的・軍事的圧力を強めてきたが、結局は功を奏さなかった。今後は引き続き圧力をかける一方で、民進党と意思疎通を図るルートを模索することになる。注目の総統選は今夜中に態勢が判明する見通しである。