インターネットなど国際的なデータ通信を支える海底ケーブルは人工衛星を使った通信よりも膨大なデータをより安定的に早く送れるということで地球全体に張り巡らされており、その総延長は150万キロ、地球37周分に当たる。こうした海底ケーブルなどの通信インフラについて議論する国際会議がアメリカのハワイ州で始まった。会議は環太平洋地域におけるIT技術の発展を目指す団体が開いているもので、各国の政府関係者や通信事業者などが集まっている。パネルディスカッションではアメリカのIT大手の幹部などが「海底ケーブルの敷設にかかる時間を短縮するには政府の協力が必要だ」と主張した他、データセンターと海底ケーブルが接続できない問題が起きている地域もあるといった課題も指摘された。海底ケーブルはこれまでNTTやKDDIなど日本を含めた各国の大手通信会社を中心に運用を担ってきたが、グーグルやメタなどアメリカのIT企業が投資を本格化しみずからケーブルの敷設に乗り出している。また、中国も国を挙げて海底ケーブル分野の底上げを進めていて、世界で競争が激化している。さらに、このところ台湾周辺や北欧のバルト海などでは何者かによる海底ケーブルの意図的な切断が疑われる事例も確認されていて、安全保障上の課題も浮かび上がっている。
