台湾で開かれたインドからの労働者受け入れに反対する抗議集会。この集会が開かれたきっかけになったSNSの投稿があった。インドから労働者を受け入れれば性暴力の増加につながると誤認させるような内容、集会の3週間前に投稿されたものだった。この投稿がなぜ抗議集会にまで発展していったのか。台湾の調査機関ダブルシンクラボは背景に中国の影があると指摘する。最初の投稿から数日後、Xには同調する投稿が大量に発生。調べると多くがボットと呼ばれるプログラムで操作されているアカウントだと見られたという。さらに拡散した投稿には不自然なコメントも見られた。このような情報操作はどのように行われるのか。その手法を伺わせるシステムの存在がことし2月、明らかになった。中国のセキュリティー会社の内部資料と見られる文書が流出。サイバー攻撃に使える製品の説明書や取引先のリストなど577点。そこに含まれていたのがTwitter世論コントロールシステム。「公安が世論をコントロールすることが社会の安定において重要である」。説明書によると、このシステムを使えばアカウントのハッキングが可能に。さらに多数のアカウントを一度に操作することもできるとしている。文書にはこうしたシステムを公安などの中国当局が購入したという記録もあった。流出した中国のセキュリティー会社の内部資料と見られる文書書にはAIを搭載するとうたうツールもあった。AIを悪用した偽情報などを調査している団体・台湾AIラボ。ことし1月に投開票が行われた台湾の総統選挙で出回ったAIで作ったと見られるフェイク動画。動画は特定の候補者をおとしめるために中国側から発信されたと調査団体はみている。アメリカの調査会社は中国側が社会の分断につながる問題につけ込むことで世論操作を試みていると警鐘を鳴らしている。NHKスペシャルの番組宣伝を行った。