訴えを起こした愛知県内に住む36歳の女性Aさん。11年前に離婚し、中学生の長男を1人で育てている。Aさんは3年前、再婚を支援しているマッチングアプリに登録した。そこで出会ったのが、30代の看護師の男性。プロフィールには「離婚して独身」と登録していた。直接会って、独身だと確認したうえで、交際を始めた2人。同じアニメが好きで、意気投合し、距離を縮めていった。Aさんの長男とも打ち解け、3人で会ったり、外出したりするようになった。交際中、男性は将来を約束するような発言を繰り返したという。男性は、婚約指輪の予行演習だとして、2人が好きなアニメをモチーフにしたペアの指輪をプレゼント。婚姻届もキャラクターが描かれたものを準備していた。ところが、交際開始から1年3カ月経ったあと、突然Aさんの自宅を年配の見知らぬ男女が訪ねてきた。2人は男性の妻の両親だった。男性は離婚しておらず、妻や子どもと一緒に暮らしていると告げられた。すぐに関係者が集まって話し合いが行われた。この場で、男性は独身だと偽って交際していたことを認め、謝罪した。Aさんはショックの大きさから、双極性障害と診断され、10年間務めていた会社も辞めざるを得なかった。去年6月、Aさんは「貞操権を侵害された」として、損害賠償を求める訴えを起こす。裁判の中で男性は、独身と偽ったことは認めた上で、責任は限定的だとして、こう反論した。「交際期間に婚約をした事実はなく、将来の結婚を前提として具体的な協議をした事実もない。婚姻届や指輪の購入は2人が趣味にしているアニメのグッズ収集の一環だ」。そして迎えた判決。名古屋地裁は、男性の対応は不法行為にあたるとして、121万円の賠償を命じた。
住所: 愛知県名古屋市中区三の丸1-4-1
URL: http://www.courts.go.jp/
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