遺族のケアに詳しい名古屋市立大学大学院教授の明智龍男さんに聞いた。相談先を選ぶ時にまず大事なことは、簡単に肯定や否定をするのではなくて、本人が持っている葛藤を丁寧に長期的に受け止めてくれる場所を探すこと。具体的には、例えば病院に遺族外来とかグリーフケア外来が設けられている病院もある。一方で受診したい人は多いがまだ数が少ない。医療保険の適用がされないケースもあって、お金の負担も大きくなる可能性がある。この他にがんの遺族会もある。明智教授は、自分に合うところかどうか行ってみて試してみることが大切だと話していた。明智教授によると、最も覚えておいてほしいこととしては「悲しみを消し去ることが目標にならない」ということ。何も話さなくても「支えたい」という気持ちを持ってそばにいる。これだけで本人にとっては十分力になるという。がん対策基本法から20年。がんとともに生きる上で大事なことや課題を考えてきた。英語の「LIFE」の3つの意味は命、生活、人生。この20年でがんになっても命をつなぐことができる人が多くなったことがある一方で、目の前の生活はどうするのか、その先の人生はどう考えていけばいいのか。こうしたところに必要な支援には、なかなか患者や遺族も簡単にはたどり着いていないといった現状が浮き彫りになった。
