欧米との融和路線を掲げて就任したイラン・ペゼシュキアン大統領とロシア・プーチン大統領との初めての対面での会談。ロシア大統領府によるとプーチン大統領とペゼシュキアン大統領は、欧米諸国からの制裁を念頭に両国の立場が近いことを確認。会談でプーチン大統領は「イランとの関係は我々にとって最優先事項であり、非常に順調に発展している」と述べた。ペゼシュキアン大統領は「我々は同じようなビジョンを共有しており、それぞれの国際的地位という点でも多くの共通点がある」と語り、今月下旬、ロシア中部カザンで行われる予定のBRICS首脳会議に出席するという。欧米との融和路線を掲げるペゼシュキアン大統領と会談したプーチンの思惑について、元時事通信モスクワ支局長・拓殖大学・名越健郎客員教授は「ロシアは中東情勢でイランと同盟条約を結んで取り込みたいのでは」と話す。「ロシアは兵士不足の問題などからイランから調達している無人機の重要度が増している。中東情勢の悪化で、イランからの兵器調達が困難になることを危惧し、イランに自制を呼びかけるとともに同盟関係を築いて関係を強化したいのでは」と推察。もう1つは経済面。ロイター通信によるとロシアは低所得国に金融支援などを行うIMF(国際通貨基金)に代わる組織の立ち上げをBRICS加盟国に呼びかけている。BRICS加盟国のイランは、欧米諸国から経済制裁を受けている。同じく経済制裁を受けている北朝鮮も加盟はしていないものの、先月BRICS関連のイベントに北朝鮮・崔善姫外相が出席していたと朝日新聞デジタルは伝えている。名越健郎客員教授は「ロシアは新たな経済枠組みを作り、欧米に不満を持っている国との連携を強めるためBRICSの成功を重視している」と話している。池上彰はアメリカから経済制裁を受けている国同士で新しい同盟を作ってアメリカに対抗しようという動きがいよいよ始まったなという印象などと話した。田中道昭はBRICSがロシアに対する経済制裁の抜け穴の国の集まりみたいな感じになっているなどと話した。