都心から多くの観光客が訪れる高尾山。貸し切りバスを使ってこの場所を訪れていた都内の不動産経営者の団体。コロナの影響で5年ぶりとなったバスツアー。しかし、希望の日程のバスが見つからず以前より、はるかに高い費用になった。このバスツアーを手配した東京・江戸川区の旅行代理店。35年にわたりバスツアーを企画してきたトミースカイサービス代表の本宮勝則さんに話を聞く。なぜ、価格が上昇しているのか、背景の一つにバス会社の減少があるという。貸し切りバス会社は2016年のスキーバス事故をきっかけに安全規制が強化されたころからその数が減少。コロナ禍で観光業が打撃を受けた時期さらに数は減少し、おととしまでの10年でおよそ1000社がなくなった。外国人旅行者が増加する中、バスツアーの需要は増え続けている。インバウンド専門の旅行会社では今、海外からのバスツアーの発注が増加しコロナ前と比べおよそ2倍になっている。バスの確保が難しい時は相場より割高の料金を支払い対応している。ツアーの価格を上げたとしても円安の影響で海外の需要は今後も拡大していくとみている。価格の高騰が続く中、貸し切りバスを運営する会社はどのような状況にあるのか。埼玉県川口市に営業所を持つバス会社を取材。ツアーなどの受注や運行管理を行っている稲元秀雄さんは顧客への電話対応に追われている。一方で苦労しているのが運転手の確保。休日を返上してもらうなどしてなんとか対応している。貸し切りバスの運転手の数は高齢化などによって緩やかに減少していた。コロナ禍で仕事がなくなったころからさらにペースが加速しおよそ3割減少。バス会社の減少以上に運転手が業界からいなくなってしまった。このためバスツアーを請け負う価格は上がっているものの売り上げはコロナ前の水準に達していないという