2024年11月29日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
価格高騰するバスツアー 観光・教育の現場への波紋

出演者
合原明子 高橋克実 戸崎肇 
(オープニング)
オープニングトーク

行楽シーズンに欠かせないバスツアーの価格が高騰しているなどと話された。

オープニング

オープニング映像。

価格高騰するバスツアー 観光・教育の現場への波紋
価格高騰するバスツアー 意外な現場にも影響が⋯

貸し切りバスの価格の変化を表したグラフを紹介。コロナ禍の影響で2021年に一時、価格は下がるが、その後は上がり続けて今年に入るとさらに急上昇。この3年間でおよそ3割、上昇している。そんなバスツアーは旅行代理店がお客さんのニーズに応えるツアーを企画してバス会社などに仕事を依頼する形で出来上がっている。

キーワード
日本銀行
価格高騰するバスツアー 当事者たちが語る「ワケ」

都心から多くの観光客が訪れる高尾山。貸し切りバスを使ってこの場所を訪れていた都内の不動産経営者の団体。コロナの影響で5年ぶりとなったバスツアー。しかし、希望の日程のバスが見つからず以前より、はるかに高い費用になった。このバスツアーを手配した東京・江戸川区の旅行代理店。35年にわたりバスツアーを企画してきたトミースカイサービス代表の本宮勝則さんに話を聞く。なぜ、価格が上昇しているのか、背景の一つにバス会社の減少があるという。貸し切りバス会社は2016年のスキーバス事故をきっかけに安全規制が強化されたころからその数が減少。コロナ禍で観光業が打撃を受けた時期さらに数は減少し、おととしまでの10年でおよそ1000社がなくなった。外国人旅行者が増加する中、バスツアーの需要は増え続けている。インバウンド専門の旅行会社では今、海外からのバスツアーの発注が増加しコロナ前と比べおよそ2倍になっている。バスの確保が難しい時は相場より割高の料金を支払い対応している。ツアーの価格を上げたとしても円安の影響で海外の需要は今後も拡大していくとみている。価格の高騰が続く中、貸し切りバスを運営する会社はどのような状況にあるのか。埼玉県川口市に営業所を持つバス会社を取材。ツアーなどの受注や運行管理を行っている稲元秀雄さんは顧客への電話対応に追われている。一方で苦労しているのが運転手の確保。休日を返上してもらうなどしてなんとか対応している。貸し切りバスの運転手の数は高齢化などによって緩やかに減少していた。コロナ禍で仕事がなくなったころからさらにペースが加速しおよそ3割減少。バス会社の減少以上に運転手が業界からいなくなってしまった。このためバスツアーを請け負う価格は上がっているものの売り上げはコロナ前の水準に達していないという

キーワード
八王子(東京)南都留郡(山梨)台東区(東京)国土交通省川口(埼玉)江戸川区(東京)
価格高騰するバスツアー 背景に3つの理由

バスツアーの価格が上昇している背景にそれぞれの立場の事情があった。交通経済学に詳しい桜美林大学・戸崎肇教授によると貸し切りバス価格高騰の背景には3つの要因があるという。「倒産・離職」「2024年問題」「運賃・料金制度の見直し」。

価格高騰するバスツアー 影響は校外学習・部活にも

埼玉県川口市にある小学校。校長の岩本好則さん貸し切りバスを利用する校外学習の費用に頭を悩ませていた。去年より移動の距離が伸びているものの値上がり額は予想以上だった。このままでは保護者の負担が増えてしまう。苦肉の策として考えたのがバスガイドを依頼せず教員たちにガイド役を担ってもらうことにした。バスガイド代は削減できたが費用の総額は去年よりも増加した。今後の値上がり次第ではバスの移動そのものを見直す必要に迫られている。さらに深刻な影響が出ているのが部活動の遠征。埼玉県越谷市にある中学校のソフトテニス部。県大会の出場を6日後に控えた、この日顧問の教員は移動のバスを手配できずにいた。熊谷市の会場まで電車で行くには何度も乗り継ぎが必要になり、ソフトテニス部顧問の佐久間悠輔さんは生徒たちの負担が増えることを心配していた。バスでの遠征を諦めた部活動もある。ほぼ毎週、県内外の学校に遠征してきた野球部。バスを使わずに移動することはできないかと保護者と検討してきた。その結果、保護者たちの車で手分けして生徒たちを送迎することにした。保護者たちの負担が増えるうえチーム作りにも影響が出るのではないかと顧問の教員、安西裕哉さんは懸念している。

キーワード
川口(埼玉)越谷市立大相模中学校

バスツアーの価格高騰の最大の原因となっている運転手不足その解消に向けてバス会社も動き出している。

価格高騰するバスツアー 運転手不足 解消できるか

観光バス100台を運行している大手バス会社。力を入れているのは未経験者の採用と育成。この日、研修を受けていたのは5月に入社した元ITエンジニアの男性。会社では未経験者に対し入社から最低1か月間、育成担当者がマンツーマンで研修を行うことにしている。会社では2年前からこの取り組みを始め6名の未経験者がすでに現場に出ている。新たな運転手を獲得するため若いドライバーにより高い給与を払おうという会社もある。2年前に貸し切りバス会社を設立した越谷レイクタウン観光バス代表取締役・生井正夫さん。業界の慣例だった年功序列を廃し優秀な若手であれば責任ある仕事を与え相応の賃金を支払っている。今月、大手の路線バス会社から転職してきたバス運転手歴2年の女性。運転技術の高さが評価されたことで女性の月給は前職よりおよそ10万円増加した。この会社は2年間で7人だった運転手を22人に増やすことができた。埼玉県川口市に営業所を持つバス会社が目指すのは子育て中の人にも負担が少ない働き方の導入。3年前に入社した女性はパートタイムのドライバーとして働き仕事と家庭を両立している。仕事は学校の児童の登下校時の送迎。乗務時間は午前か午後のどちらか数時間。一日仕事のバスツアーより短時間のため小学生の子どもを育てながら働けている。会社では子育てなどさまざまな理由で働く時間が限られている人たちを積極的に採用していきたいとしている。

キーワード
吉川(埼玉)大田区(東京)川口(埼玉)
価格高騰するバスツアー 問題解決のためには?

価格高騰が続く貸し切りバス。その裏側では人手不足などさまざまな要因が絡み合い影響は教育現場にまで及んでいた。

(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.