国連の気候変動対策の会議COP29が来月から開催される。開催を前にUNEP(国連環境計画)が発表した報告書によると、去年の世界の温室効果ガスの排出量は、おととしと比べて1.3%増えて571億トンと過去最も多かったとしている。国別で見ると、EUが7.5%、米国が1.4%それぞれ減少している一方で、中国が5.2%、インドが6.1%それぞれ増加している。その結果、このままでは世界の平均気温は今世紀末までに産業革命前に比べて2.6度から3.1度上昇するという見通しを示した。その上で、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に基づいて気温の上昇を1.5度に抑えるとした国際社会の目標の達成には、2030年までに排出量を2019年と比べて42%削減する必要があるとしている。来月11日から始まるCOP29をより野心的な削減目標の設定につなげる機会にすべきだと呼び掛けている。