いま「脱フロン」の動きがある。埼玉・越谷市の大規模なスーパーではたくさん冷凍食品のショーケースが並んでいるが実はフロンが使われていない。「フロン」は温度を下げる特徴を持つ人口の化合物で、冷たい空気を作れるのでエアコンや冷蔵庫などに使われてきた。ただエアコンなどを使う時に少しずつフロンは空気中に漏れ出してしまう。かつて使われていた特定のフロンは地球のオゾン層を破壊するとして生産が中止され今はオゾン層を破壊しない「代替フロン」が広く使われている。ただ代替フロンはオゾン層は破壊しないものの温室効果があり地球温暖化に悪影響を与えると指摘されている。同じく温室効果がある二酸化炭素を1とするとフロンの温室効果は100~1万倍程度と分析されている。そのためにいま脱フロンの動きが進んでいて、アンモニアや空気などの自然界にある物質を冷蔵庫や冷凍庫に活用した自然冷媒の機器に切り替えていこうという動きがある。環境省によると今年度、すでに約50社が「ノンフロン」を宣言しており、特にイオングループは今年7月に2040年度末までに国内すべての店舗の冷凍・冷蔵機器を自然冷媒に切り替えると発表している。国連機関による試算ではこのままいけば2100年には地球全体の平均気温が最大で5.7℃上がるとされているが、フロン類がゼロになるだけで温度の上昇を0.5℃抑えることができるという。ただ自然冷媒にもまだまだ課題があり、エアコンの冷房などはまだ自然冷媒では難しく、これからの技術の進歩が必要。一方で温室効果はなくオゾン層も破壊しない物質も開発されていて自然冷媒とともに活用が見込まれている、などと伝えた。
URL: http://unic.or.jp/