県内で生産された繭が収穫時期を迎え、坂井市の織物職人の工房では繭から糸を引いて生糸を作る作業が行われた。作業は坂井市の織物職人・嘉村亜紀子さんの工房で行われた。福井県はかつて絹織物の産地だったが現在は養蚕農家や織物職人が減っていて、嘉村さんは一度は途絶えてしまったという福井伝統の絹織物「奉書紬」を復活させ県産の繭を使った織物を作っている。嘉村さんは現在県内で唯一となった養蚕農家から仕入れた品質のよい玉小石と呼ばれる繭を湯を張った鍋に入れたあと、繭から細い100本ほどの糸を機械で巻き取って生糸にしていった。玉小石はサイズが小さいため一般的な繭よりも糸が取れる量が少ないということだが、真珠のように白く輝く柔らかくて丈夫な生糸ができるという。工房での生糸を作る作業は今週いっぱいまで続き、生糸はストールや着物などの生地になるという。