2025年2月、ラジオドラマ収録の10日前。常盤がフォーリーアーティストの仕事場に潜入。そこへ音作りのレジェンド・今井裕が登場。今井は音を作り続けて56年の生き字引のような存在。早速、31日から放送開始の朝ドラ「連続テレビ小説 あんぱん」の効果音を制作する様子を見学させてもらった。自転車の音や木箱が揺れる音などが次々生み出される様子に常盤は目をみはり、音がつくと映像が色づくと話した。ラジオが放送開始となった100年前、当時は完全に生放送。必要な音はすべてスタジオに用意しておく必要があり、その状況下でフォーリーの技術が発展した。
ラジオ放送開始から100年の今年、効果音がたっぷりのラジオドラマを作るという企画が発足。タイトルは「桃太郎改めユフォたろう」。NHK東京児童合唱団の皆さんに面白いラジオドラマのアイディアを考えてもらった結果、生まれた物語。台本を読んだ常盤は「かわいい。全体的に陽気」とコメントした。今井らスタッフは早速音作りを開始。スタジオにあるものを駆使し音を作ろうと試みたが、ブラックタピオカの音に苦戦。街に繰り出し、様々なものを物色した結果、ポップガンという打楽器を発見。タピオカの音とぴったりハマり採用。結果、60種類以上の道具を集めた。スタジオへ戻り、常盤も音作りに参加した。
今回、ラジオドラマを録音するのはオーケストラが丸ごと入ってしまうような「NHK CR509スタジオ」。あの坂本龍一が「日本で一番音がいい」と言った最高の音響空間。収録前日、フォーリーに使う道具が続々と運び込まれた。計60個の効果音を確実に奏でるため配置場所を慎重に決めていく。本番では6人のフォーリーアーティストがさまざまな場所とタイミングで同時に音を繰り出す。録り逃しは許されない。出演者は声優、音楽家を含めて27人。様々な角度から撮影するためカメラは60台以上が設置された。本番当日まで練習を重ねた常盤が担当する効果音は18か所。音楽も音楽家たちがすべて生演奏を行う。セリフを紡ぐ声優陣は7人。主人公はレジェンド声優の野沢雅子が演じる。